福州園 【観光】
2015年04月27日
近年、沖縄もたくさんの外国人観光客がやって来るようになりましたが、その中でも多くを占める中国・台湾の方々がよく立ち寄る「福州園」について紹介してみます。
「福州園」は、那覇市の市政70周年と、那覇市と中国福建省の省都「福州市」との友好都市締結10周年を記念して1992年9月に開園した中国式庭園です。
園内は中国様式の建築物や景観、植物などが演出されているのですが、設計から施工まで福州市の職人、資材も福州市のものを使用して建設されたそうですよ。
那覇市の“久茂地交差点” という人、クルマ、近代ビルが集中している場所に突然現れる閑静な公園で、“よくこのロケーションの中に同居させたなぁ~” と感心するほどです。
ですので駐車場の確保も難しかったのか、隣接する小さな公園にすこしだけ沖縄レンタカー が停められるくらいで、大型観光バスなどは路上駐車。往来する一般車両はちょっと困っている感じですね。
さてさて、先程の薀蓄に戻るのですが、“なんで那覇市と中国の福州市が友好都市なの?” というところ。
というのも、那覇市はもともと中国ととても歴史的にもつながりが深い場所なんです。
琉球がその昔独立国で、且つ中国(当時は明とかの時代)と朝貢関係にあったことはご存知の方も多いと思います。
首都・首里に近い港町で、久米村(現在の那覇市久米)には“久米三十六姓” と呼ばれる洪武帝の命により来琉した多くの学者や航海士などの職能集団が居住していたそうです。
福建省の閩(びん)と呼ばれる地域の出身が多かったため、“閩人三十六姓” とも呼ばれていたそうですが、この末裔たちは後に中国-琉球間の外交、貿易に従事したり、政治家や学者等も輩出したらしい。
よく聞く“蔡温(さいおん)” さんなんてーのも、“久米三十六姓” の末裔なんですって。
だから、沖縄(というか琉球)が中国の文化や習慣に大きく影響を受けているのは当たり前で、三十六姓の方々の貢献が琉球の発展に欠かせなかったという訳ですから、友好都市になるのもそー不思議ではないお話し。
ちなみに三十六姓は、ホントに36あった訳ではなくて、中国では“36ほどたくさん” という意味らしく、実際は10コちょっとだったみたいです。
蔡氏、 程氏、 鄭氏、 林氏、 金氏、 毛氏、 紅氏、 楊氏、 魏氏、 陳氏、 梁氏、 阮氏、 王氏 といったところがラインナップですが、今では身の周りであまり聞きませんので、どんどんウチナー姓に吸収されていったんでしょうね。
「東冶堂(とうやどう)」の左右にそびえ立つ、写真左が「白塔」、右が「烏塔(うとう)」。
写真では日の当たり方でちょっと分かりづらいのですが、「白塔」は白く美しく、「烏塔」は黒く荘厳な感じがします。
その下の写真が「東冶堂」。
実際に福州市にも存在する建築物だそうで、福州の人が郷土の景色を思い浮かべるシンボリックな建物との事。
PROが本土に行った時に沖縄風居酒屋を見つけると故郷を想っちゃうのと同じなんでしょうね。
え、ちょっと違う?
園内で2番目の大きさなんですが、“閩人” が故郷への想いをはせる水景「桃花渓(とうかけい)」。
池のカメさんものんびり遊泳中。
「知春亭(ちしゅんてい)」とその傍に割くピンクの花が綺麗でした。
PROは最近花を愛でる感性が出てきたのですが、勉強不足で花の名前まで分かりません。
どなたかこの花の名前知りませんか?
PRO個人的には福州園のクライマックス的な存在だと感じた「冶山飛泉(やざんひせん)」。
これも実際に福州市にある名勝「冶山」とその水景を表現しています。
傍に架かる「飛虹橋(ひこうきょう)」から見上げるダイナミックなアングルです。
上にある「冶亭(やてい)」から見下ろすのとどっちが迫力あるかな?
もう少し先の「仙橋(せんきょう)」から遠めのアングルからの「冶山」。
こちらも名前がわからないのですが、水辺の紫色の花が印象的でした。
あやめ?
今、沖縄観光はちょっとした転換期を迎えています。
これまで入域の中心だった東京、大阪などの国内観光客は人口減少などにより拡大路線とはなりにくい現状。
それに対し、著しい経済成長による台湾人や中国(大陸)人の余暇消費地として他の観光地と競争していかなくてはなりません。
それだけではなく、同様に成長路線に入ったインドネシア、マレーシア、タイ等の東南アジア諸国のお客様がまたその次にやってくるでしょう。
言葉が通じない外国人観光客が沖縄旅行に満足していただけるようなハードやソフトを構築していかなくてはなりませんが、特にソフトは気持ちさえしっかり取り組めばハードに負けない魅力となるので、“う・とぅ・い・む・ち(おもてなし)” を常々意識して沖縄レンタカーPROをブラッシュアップしていかなきゃなりませんね。
〒900-0033 沖縄県那覇市久米2-29-1
TEL 098-869-5384
営業 09:00~18:00(水曜定休 ※但し、水曜日が祝日の場合は翌日がお休み)
入園料:無料
営業 09:00~18:00(水曜定休 ※但し、水曜日が祝日の場合は翌日がお休み)
入園料:無料